- ――なぜ教育業界に就職しようと思ったのでしょうか?
- 人の役に立つ、人に寄り添う仕事がしたいと思い、大学卒業後の進路として人材派遣会社を考えていました。しかし就職活動の結果があまり思わしくなく、別の業種を考えた結果、進学塾もアリだと思ったんです。当時の日能研関東では、生徒に授業を行う教務が別会社になっていました。私は授業よりも教室運営に興味があったので、日能研関東が適しているのではと思ったんです。今は会社が統合されて、教室運営と同時に授業も担当するようになりましたけど(笑)。
- ――就職してみて、とまどうことはありましたか?
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入社3年目まではスキルアップ研修が非常に充実していて、業務内容でのとまどいはありませんでした。最初は中学受験の現状について、次に教室運営について、さらに生徒対応のポイント、保護者対応と、ひとつひとつ時間をかけてステップアップしていくので着実に身につけられます。研修そのものも、ロールプレイング形式などを取り入れた実践的なものになっています。もちろん3年目以降も、さまざまな研修が受けられます。授業を担当する前には1年かけて研修が行われ、模擬授業や教育実習のようなことも行いました。
- ――仕事で大変だなと思うことはありますか?
- この業界は人と人とのコミュニケーションで成り立っていますから、どんなに準備をしていても必ずといっていいほどイレギュラーなことが起こるんです。どんなに研修を受けても、やはり現場に出て経験を積まないと対応できないことがあります。入社当時は、イレギュラーな事態に対する不安で、考えすぎてしまうこともありました。でも考えれば考えるほど頭がガチガチに固まって、逆に身動きがとれなくなってしまうんです。それが分かってからは、準備はほどほどにして不測の事態にも柔軟に対応できるようになりました。
- ――印象に残っているできごとがあったら教えてください。
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かなりやんちゃで手のかかる生徒がいました。いくら注意しても暖簾に腕押しで、教室スタッフ全員が対応に苦労していました。ところがいざ受験日になり、会場に向かう生徒たちを握手で励ましていたところ、その生徒が握手の後で姿勢を正し一礼してくれたんです。まさかそんな礼儀正しい態度ができるとは思っていなかったので、その成長に驚くと同時に、今までかけていた言葉が生徒の心に届いていたと実感できて、とても嬉しかったのを覚えています。
- ――今後チャレンジしたいことは?
- もっと私立中学の情報を蓄積して、生徒一人ひとりに合った受験アドバイスができればと思っています。状況は年々変わっていくので、どんなに資料を集めても不十分なんです。そのため、私学に進学した卒業生の声は貴重ですね。ぜひ気軽に遊びに来て、学校のことを教えてほしいです。そのためにもオープンで居心地のいい教室の雰囲気を保っていきたいと思っています。